
中川 周士
Shuji Nakagawa
木工芸職人
Wood craftsman
木の美しさ、優しさ、強さをよく知ってもらうために。 古いものを守りながら、新しいことにも挑戦していく。
木の香りや木目の美しさ、その肌触りに惹かれるのは、きっとそこに日本の文化があるから。ひとつずつ丁寧に作られた作品たちは心を優しく包んでくれるようです。
古くから守り継がれてきた伝統工芸を守りつつ、
新しいものづくりにも挑戦したい。
古くから守り継がれてきた伝統工芸を守りつつ、新しいものづくりにも挑戦したい。
中川さんの作品からはその真摯な思いがあふれています。
まず大切なのが素材選び。中川さんが扱われる材木は樹齢150~250年と古いものも多く、とてもいい材料を使われています。材木には檜、椹、髙野槙、杉、神代杉などそれぞれに固有の香りがあり、向き不向きがあります。作るものとのバランスでその扱う素材も変わります。
木の葉シリーズはここ1、2年の新しい作品シリーズ。 桶やシャンパンクーラーなどでは丸太の中でもまっすぐな部分しか使えず材木の多くが廃材になってしまう中で、材木を余すことなく生きてきたそのままの作品にしたいという思いから生まれました。
中川さん自身も手掛けることで木の持つ本来の表情や形に気づけたとおっしゃる、作品の自然なへこみや湾曲、それらは木がもともと持っていた線なのです。木は呼吸しています。だからこそ木は人が離れると朽ちてしまいます。
大事にしまい込んでおくのではなく、用と美あわせ持つこれらの作品を使って、その魅力をお楽しみください。
主な経歴
1968年 | 京都市生まれ。 |
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1992年 | 京都精華大学美術学部立体造形卒業。卒業と同時に中川木工芸にて父・清司(重要無形文化財保持者)に師事。 |
1996年 | 京都美術工芸展 優秀賞受賞。 |
1998年 | 京都美術工芸展 大賞受賞。 |
2001年~2005年 | 京都造形芸術大学非常勤講師として勤務。 |
2003年 | 滋賀県大津市に中川木工芸 比良工房を開く。 |
2010年 | ドンペリニヨン公式シャンパンクーラーを制作。 |
2015年 | 神代杉KI-OKEスツールが英国ロンドンV&A美術館のパーマネントコレクションとなる。 |
2017年 | 第1回ロエベクラフトプライズにてファイナリストとなる。その他、国内外での個展、グループ展多数。京都の若手伝統工芸職人集団Go-onに結成当初から参加。 |
